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マップディレクターが、自分で作ったマップを自分でレビューします。

「リメイクマップ〜Windows95版〜『★の世界』」レビュー
by てくすち

Stage1「王女様はエゴイスティック」 (作:てくすち)
難易度:★★★
完成度:★★
総合評価:★★★
不要なアニメで画面をちらつかせ、ゲームの処理速度を著しく低下させる恐るべきステージ。もちろん読者の大多数は、この程度の負荷などものともしないスペックを手にされているはずだ。

ここから先、といってもたった3面だけだが、本編200ステージに組み込まれなかったおまけ面が続く。本来はこの「ワールド9」も25面構成になる予定だったが、納期の関係でそれは見送られた。もっとも、むりやり25面揃えるだけの時間があったとしても、当時の力量で「ワールド9」にふさわしいステージがそんなに作れたとは思えない。仮に作っていたとしても出来損ないマップが1つ増えるだけのことであり、それをひたすら罵倒するレビューがもう1編増えるだけのことである。

さて本作であるが、モンスターを使うまでもなく正攻法で行けるだろう(別解はいろいろあるが)。オリジナル版では例の問題があったため、ドア+ユニをまたがせてみたり、あるいはヒビ+ユニをまたがせてみたりといった蛮行がまかりとおっていた。幸いなことに(ある意味では残念ながら)、「FLAPPY WORLD」ではもはや(初期バージョンを引っ張り出してきたとしても)このような非道な遊びは試せなくなっている。


Stage2「邪気の左手」 (作:てくすち)
難易度:★★★★★
完成度:★★★
総合評価:★★★
「二人がかりで連続空中押し」という曲芸を見るためだけに作られた面。これ以上無いというほどあからさまに「どうしようもない」地形であるので、解き方自体はほどなく見当がつくものと思う。しかし解き方がわかってから実際にクリアするまでには、かなりの実験と練習を繰り返すことになるはずだ。「ウェイトモードなど邪道」という主義を貫いてきたプレイヤーはほとほと困りはてたことだろう。

ご承知のとおり、左側足場の石ブロックは必須ではない。それでもわざわざ置いてあるのは、いったん青を止めて好きなときに落とせたほうがタイミングが取りやすいという配慮からではなく、単に「右手」の地形と韻を踏むためだけにこういうことになっている。要するに「つきあい」というやつだ。

なお、リメイク版の「左手」および「右手」では、画面右上のマップチップが1ターンおきに明滅を繰り返すようになっている。眠らせるタイミングを計るのに、いくらかは助けになるだろう。


Stage3「欲望の右手」 (作:てくすち)
難易度:★★★★★
完成度:★★★★
総合評価:★★★
最後の最後になってまた出てきたワープロック技。モンスターの死骸やブロックの残骸ならまだしも、こういった目に見えない「当たり判定」を前提に問題を作るのはどうかと、当時からいろいろ議論にはなっていた。結局「おまけ面ならよいだろう」ということでこの位置に落ち着くことになったが、実際にはこれの同志たちが本編200ステージにもひそかに紛れ込んでいたようである。その後、「FLAPPY WORLD」でこの手法が当たり前のように登場するようになり、多くのプレイヤーがそれを苦もなく解くようになってしまったことはご存知の通りだ。世界に「青」と「茶」しか無かった時代を考えると隔世の感がある。

「あの恐怖が甦る」
私はリメイク版の紹介コメントにそのように書いた。確かに我々スタッフにとって、これは恐怖以外の何ものでもない。若いころに描きちらした未熟な読切漫画を、ページが空いたからといって突然単行本に収録されてしまった作家は、きっと今の我々と同じような気分を味わうに違いない。

「FLAPPY95」は、いろいろな意味でFLAPPY WORLDの「反面教師」と言える存在だ。残念ながらまだまだ過去の教訓を生かしきれていない部分も多いが、たとえ少しずつではあっても、フラッピー界全体が良い方へ向かっていくことを信じたいと思う。